【ファンダメンタル】マツダが上がらない理由

こんにちは 狩りする豹です。

マツダは一年以上下げ続け、下げを前提としてグラフの上げ下げで売買しているチャーティストの豹としてはいつ反転して上がりだすかというのはいつも警戒しているところです。最近、下げの比率が15%ほどきつくなっているようでぜんぜん底値が見えないんですけどね。

今回はファンダメンタル的、あるいは市場分析的に今日はマツダの問題点を見ていきたいと思います。結論から言いますと

①独自技術としているディーゼルが多いヨーロッパで逆風が吹いている。

②独自技術のActiv-Xディーゼルに根本的な不具合があるのでは、という恐れ

③主戦場とした北米でトランプちゃん旋風

保護主義化している風潮からの一般的なリスク

 

①②はマツダ独自の、③④は自動車業界全体のマイナス要因になっているかと思います。

①独自技術としているディーゼルが多いヨーロッパで逆風が吹いている。

ディーゼル開発からはトヨタ、ホンダ、ポルシェが撤退を決めているのに対し、マツダスカイアクティブ技術を引っ提げて残存者利益を追求して引き続き積極的に販売を継続していく戦略。ロータリーエンジンを唯一量産し続けたメーカーの遺伝子ですね。
別に誉め言葉ではありません。

 下記は昨日更新されたブログですが、これを読めばわかるように不正をしたメーカの車の所有者は廃車にするか、自分で高額の費用を出して浄化装置を加えなければいけないとのこと。(追加すれば燃費は下がるだろうね)

 「 ディーゼル車は排ガス基準によりeuro1からeuro6までのレベルに分けられている。そして、そのうちeuro1から4までが、元旦よりシュトゥットガルト市内に入れない。今のところ、無視して入っている人もいるようだが、本来なら違法行為だ。euro5は執行猶予中で、この1年で大気汚染が改善されなければ、来年からやはり市内侵入禁止となる。」

日本メディアが伝えない「ドイツのまったくめでたくない年初め」(川口 マーン 惠美) | 現代ビジネス | 講談社(1/3)

こんな目にあわされた消費者が次の車を選ぶときにディーゼルを選ぶだろうか。悪いのは不正をしたメーカであってディーゼルではないのであるが。

 

②独自技術のActiv-Dディーゼルに根本的な不具合があるのでは、という恐れ

マツダのHPには

圧縮比を下げた場合は、ピストン上死点における圧縮温度・圧力は低くなります。従って、上死点付近で燃料を噴射しても着火までの時間が長くなるため、燃料と空気の混合が促進されます。この結果、より均質な燃焼となり局所的高温や酸素不足が回避され、NOxやススの発生量は少なくなります。」
とあり、低圧縮比にすることでNox、PMともに低減されるという事を謳っています。しかしこれが実現するのはどうもある運転パターンの人だけの可能性があります。つまり長距離や、始動時にしっかり踏み込むというような運転の仕方をする人の場合で、短距離のチョイノリや、エコ運転を心がけている人には煤がたまりすぎて定期的に高価な整備をする必要が出てくるケースもあるようです。

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インテークマニホールド内

 吸気系にたまった煤。少しばかりエンジンをふかしても吸気系は温度が上がりにくいので飛ばすのは難しいようだ。

CX-5 スカイアクティブ-ディーゼル 煤蓄積。 SKY-Dの大きなメリットに注目を。 | 日々是好日 byミナト自動車

 

この整備の費用(吸排気系のパーツをばらして内部をドライアイスでショットブラスト)を考えると燃費的なメリットは?に。アウトバーンを走るドイツとかでは問題がないのでしょうけれど。

 

③④は一般的な話なのでマツダに関する部分のみを。まあほかのメーカより影響が大、リスクが大という話です。

マツダは米国販売のテコ入れにトランプちゃんが出てくる前の決定ですが、

「2018年度から北米内販売ネットワーク改善のために4年間で400億円を投資するとのこと。

一方、同社は現在、米国に生産拠点を構えておらず、日本とメキシコから米国へ全量輸入している。全量で1台当たり6000ドルの影響が出ると仮定すると、1ドル=110円
前提で1980億円程度のマイナスインパクトと計算される。これは、年間の営業利益を上回る金額である。(QUICKリサーチネット レポートより)

 

 ファンダメンタル的手法の本質的欠点は、その材料がどれだけ株価に影響するか(あるいはすでに織り込まれているのか)評価することが実質できないことです。場が動くと強弱両方ある材料から後付けで「〇〇を懸念して値が下げた」「××が再評価されて値が上がった」といくらでもそれらしいことは言えます。因果関係を定量的に証明できることはありえないでしょう。
 だから私はチャーティストになったわけですが、この投稿にある程度の材料解析はその株を理解するために必要なバックボーンとしてやっておかなければいけないかな、と思っております。

 トランプちゃんの一言で赤字転落する可能性もある会社を売買しているという事は頭の片隅に置いておく必要があるでしょう。またこれが一因で自動車業界、特にマツダの株価が安い状態なのでしょうね。一方、自動車問題が片が付けば反発する可能性も残っているという事です。一相場師には世間より先に情報を入手するすべはないし努力は無駄で終わるでしょう。できることは相場の流れ、終値のグラフに沿って(分割売買で)泳ぐだけだと思っています。