立花語録6 相場師に必要な知識について

狩りする豹です。昨日は親せきの集まりでおいしいお酒や料理をいただいてきました。今日は妹夫婦が甥っ子を連れてあいさつに来ました。いろいろ料理を準備して正月といえども結構忙しい^^。

以前、立花さんは余分な本を読むな、知識を増やすな、という事を言っているとの話をしました。

 

jagd-panther.hatenablog.com

  これについてもう少し深堀していきたいと思います。立花さんはこのことが非常に重要と思われていてなんか所でも繰り返し述べられています。自分の経験から余分な知識に振り回されて遠回り、大損をこいてぼおっとしていて大けがまでしてしまったという経験からそう述べられているのだと思います。

 では罫線だけ見ていればいいと言っているのか、というとそういうわけでもない。この方は頭が良すぎて沢山の視点で考えられているせいか、文章が難解で2重否定どころか、三重否定みたいなところもあり、「この人の意見は本当はどっちなんだ」と解釈に悩むところがあります。

少し長くなりますが引用していきます。

P220 
「多くの人は相場で勝ちたいと、日夜涙ぐましい努力を続けています。そのために、次々と新しいことを学んでいきます。だから、頭の中に入り切れないほど多くの知識が増加していくのは当然です。
 (中略)不要なものは捨てるべきです。また、知識に一貫性を持つことも大事なことです。(中略)
 相場だけでなく、歌舞伎の俳優でも芸術家でも、とにかく一芸に秀でた人たちの技術というものは、小細工をせずに、小さく固まらず、基本に忠実でありながら基本べったりではないのです。知識の多い少ないは、ほとんど関係ありません。
 それどころか、極端に一つのことを追求していけば、いわゆる”専門バカ”と言わるように気違いじみてきます。高い専門技術は身に着けているが、ほかの面はまるで非常識ということになってしまうでしょう。
 相場においても同じかもしれません。ただ相場そのものの性質上、経済の常識や景気動向に無知だったり、変動に鈍感であってはいけません。それは必須のものです。
 が、重箱の隅をつつくような細かいことや、単なる興味本位の断片的な知識、雑多なゴシップなどはまったく不必要だといえます。動きの流れを自分なりにつかむことこそ必要なのです。しかも、その流れというのは、一時間ごとの株価の上げ下げや、市場のうわさとは関係のないものでなくてはいけません。
 一芸に秀でた人がそうであるように、勉強というものはいかに多くの知識を集めるかではなく、いかに一つのものを深く極めるかという事であるはずです。それには、自分の進むべき方向に対して不要なもの、邪魔になるものを捨てていくことが大切です。そうして残ったものこそ、真に重要なのです。
 いったん知識として集積すると、捨てるのを躊躇するものですが、不要なものはすて、再び検討してさらに不要なものを捨てていくことです。いずれは役に立つのではないかと思って捨てるのをためらっている間に、有用な知識を育て、深化させ、活用することのほうが、はるかに進歩が速いものです。」

 

 この一連の文章の「それどころか」で始まる部分をどう解釈するかで悩みました。「専門バカ」「気違いじみている」「非常識」のようなネガティブな言葉がならんでいるので「相場師を志す者はそうなってはいけない」という趣旨かと始めには思ったのですが、どうも逆ですね。

 

この文章を整理すると

・必要な知識とは「自分の進むべき方向に対して必要なもの」
 その中には「経済の常識・景気動向や変動に対する感覚」が含まれる。

・不要な知識とはそうでないものであるわけですが、具体的には
 重箱の隅をつつくような細かいことや、単なる興味本位の断片的な知識、雑多なゴシップ、一時間ごとの株価の上げ下げや、市場のうわさ
(程度の低い本・証券会社のチラシ)

不必要なものの中には正しいものであっても自分の相場スタイルとは異なる手法に関する知識も含まれるはずです。特に初心者のうちは。

 立花さんは日経新聞、株式新聞を数年にわたり三か月ごとに綴じて保管していたり、毎朝注文を出す前に五日ほど読み返していたりするなど基本、読書家のようですね。
 豹は毎日一時間程度時間をかけて新聞は見ています。今はインターネットがあるので必要な情報はたいてい引っ張り出せるので保管はしていませんが。

 

以下はオマケです。豹はテクニカル派ですが、それなりに”常識”も勉強しているので、一応この程度のファンダメンタル分析(というか市場分析かな)はできますよ、ということで。


 立花さんには怒られるかもしれませんが、ほかの投資家のYoutubeなどはチェックしています。

 この動画のオージーさんという方でなんでも億単位の利益を上げられているとのことです。話す内容からすると試し玉の使い方やさや取り的な見方もされるなど実戦を経験されているのは確かとお見受けしました。

www.youtube.com

ただ、おかしいなと思ったのは9:10あたりのプラチナ相場の見通し。

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 金とプラチナの連動性が崩れてきているが、そのうち元の関係に戻るとの感触でプラチナは上昇する見通しとのことで買いの試し玉を入れたいとのこと。
 大局観を持つことは大切で、実際の玉入れはテクニカルで判断する、という事は王道と考えますが、大局観を間違うと苦労します。

 マツダ株をやっているのでその関連の知識としてプラチナ関連情報も当然知っているわけですが、違う見解を持っています。

プラチナの最大の用途は40%の自動車用であり、装飾用途+投資用合わせても40%弱 。

https://xn--7cks1b7dt66u7qntf0f.com/%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%81%E3%83%8A%E3%81%AE%E9%9C%80%E8%A6%81%EF%BC%81%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%85%A8%E4%BD%93%E3%81%A7%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%81%95%E3%82%8C/

一方、金は装飾用途+投資用で80%になります。

金の需要~様々な金の用途とは?~|第一商品

 

つまりプラチナと金は需要用途が大きく異なっており、それぞれの分野で産出量と消費のバランス、そのうえに将来の見込みが加わって価格が形成されています。

  プラチナはディーゼルエンジンの排ガス触媒に使われていますが、長期的にはEV化により内燃機関の低下が予想されるに加え、 排ガス問題でディーゼルガソリンエンジンへの転換が短中期てきには予想されています。 その場合、使用量が減るだけではなく、廃車から回収される分が市場に出てくる、都市鉱山の要素も今後顕在化してきます。 https://media.rakuten-sec.net/articles/-/11027?page=1

 新しいプラチナの用途が見つからない限りは現在の価格低下は非可逆的な動きとしてとらえる向きが一般的なようです。

 したがって、プラチナ相場の大局観は弱含みと考えたほうが良いと豹は思います。まあ、”理路整然と間違える”のは豹のほうかもしれませんが('◇')ゞ

 歴史的に価格反転上昇の実例を金価格で見れば、東西冷戦終了とともに緊張が緩和され、金は利益を生まないと長く安値で放置されていましたが、 2001年の同時多発テロを契機に見直され4~5倍に価格が上昇しました。  この場合は”いつか”は20年後に来ました。

今日は以上です。ここまでお読みいただきありがとうございます。